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場面はないと想定され、運用上はさしたる問題はないと考える。この整定時間の短縮化にはヒータを含む燃焼系のコンパクト化を図る一方、システム的には急激な負荷変動に対しバックアップの電池を備えること等が考えられる。
この全体システム試験の結果をもとに実機システムヘの反映事項をまとめるとともに、本スターリングエンジンを搭載した大深度長期航行型の有人潜水船の計画検討を実施した。
スターリングエンジンシステムの要素技術の確立と全体システムとしての性能確認ができたことで、高圧燃焼、排ガス液化排出型海中動力源の実現化の用途を得た。
本動力源が採用できることで、深度によらず極めて小さい動力で排気ガス処理が行え、大深度まで動力源システムの正味出力が著しく低下することなくシステム効率を高く維持でき、機関本体はもちろん補機等システム構成要素の小型化が可能となり、小型・軽量型の海中動力源システムを実現できる見通しを得た。
動力源システムが小型・軽量化できると、ひいては潜水船あるいは無人機全体の小型・軽量化に結びつく結果となる。水中に潜る潜水船あるいは無人機が小型・軽量化できるとハンドリングはもちろん、推進に必要な動力を削減できることで、余剰の動力を使って、さらに長期間広範囲にわたっての調査活動ができるメリットがある。
このことから、本研究の成果は、将来建造が見込まれる犬深度における長期航行型潜水船や無人潜水機に有効活用され、その建造実現に大いに寄与するものと考えられる。

 

 

 

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